著作権とネットとパソコン

三菱重工業、原子力発電所情報がWinnyで流出~昨年に続き2度目
Winnyによる情報流出があったようだ。
原子力発電所ということで一瞬ヒヤッとしたが、設備に関する情報は漏れていないようだ。
しかし、顧客の信頼を失うには十分すぎることだろう。


直なところWinnyといったファイル交換ソフトに関して自分はそれほどネガティブな考えは持っていない。
むしろこういったP2P技術はもっと進歩すべきだと思うし、新しい技術革新の先駆けになれるものであると思っている。
しかし、問題はことP2Pに関しての風当たりと負の部分があまりにも大きすぎるということである。
それは今回の事件のようにウィルス感染による情報の流出が昨今のニュースでは大きな問題として取り上げられているようだが、これに関しては個人の責任によるところが大きい。
Winny利用によるウィルス感染は対策ソフトなどがあれば防げるのである。自己責任での使用をするつもりであるならば仕事で使うパソコンでやるべきではない。
だったら個人のパソコンでやればいいかといえばそれは疑問であるが、このようなファイル交換ソフトを完全に違法と断定できない現状ではそう言うしかないといった感じである。
だが、問題は情報漏洩よりも著作権に関しての割合が大きなウェイトを占めているように感じる。


かが何かを作るとその作品には著作権というものが発生する。著作者は著作物を自由にすることができ、主に著作料としてお金を請求することができる。
アメリカでは著作権に関して厳しい法制度をしいており、著作権法違反で訴えられることは日常茶飯事のようだ。
ミッキーマウスの著作が切れかけると法改正でその寿命が伸びることに由縁して「ミッキーマウス保護法」などと揶揄されることも多い。
小学校のプールに描かれたミッキーマウスの絵に対して著作料を請求したなどという噂がまことしやかに流れるほどだ。
日本にも著作権法は存在し、著作物には著作権が発生する。
著作者からの信託を受けて保護する組織もあり、音楽の著作権を管理する日本音楽著作権協会JASRAC)などが有名であろう。
しかし、ネット上ではそれら著作権法を無視したものがはびこっているのが実情だ。
特にP2P技術を利用したWinnyを筆頭とするファイル交換ソフトではその傾向が極めて高い。


のためP2P技術が著作権を侵害する代表格のように思われている節があるが、それは間違った認識である。
P2P技術はインターネット電話やIP電話などにも利用されている。SkypeなどもP2Pを利用したソフトウェアである。
使い方次第によっては非常に便利な技術なのである。そこを誤解しないでいただきたい。
ではファイル交換ソフトが悪いのかと言われると、正確には答えづらい。
Napsterのように音楽配信のサービスとなった例もあり、一概に断定できない点が多すぎる。
ならばこうした違法かどうか怪しいソフトは使わなければ著作権違法にはならないかというと実はそうならないのである。


分に限らず多くの人がこうしてブログを書いて記事にするときに画像も一緒に貼ることが多いだろう。
だが、その画像も厳密に当てはめると著作権法違反となる。
例えば通販で頼んだ本が届いたので、表紙の写真を撮ってブログに掲載するとなると、その本の著作はそれを作った著作者に帰属することになるので著作権を侵害していることになる。
画像を転載した場合もそうだ。本の紹介をするために本の表紙の画像をどこかのサイトから持ってきて貼ったとしても違法ということになる。
そうなるとネットを利用するほぼすべての人間が処罰されなければならなくなる。現実にはそれらを利用しているサイト、ブログは数多くあるだろうしすべてを把握することは不可能である。


に違反することは「悪」なのかも知れない。しかしコンピュータ、ネットワークの普及した現在では今まで一部でしか扱うことができなかった複製という技術をすべての人間が手に入れてしまったのだ。
複製を容易にできるのであれば誰もが自分の欲しい物を手に入れたいという欲求にかられるのは当然であると言えよう。
今この複製技術の最たるものがP2P技術であろう。そしてこのP2Pにより著作権が大きく揺れている。
このまま現状が続けば著作権と人との関係は大きく変わっていってしまう。
著作権というものが今大きく見直される時期が来ているのではないかと私は感じている。