ブログと日記サイトの違い

 個人や数人のグループで運営され、日々更新される日記的なWebサイトの総称。内容としては時事ニュースや専門的トピックスに関して自らの専門や立場に根ざした分析や意見を表明したり、他のサイトの著者と議論したりする形式が多く、従来からある単なる日記サイト(著者の行動記録や身辺雑記)とは区別されることが多い。

 また、CMS(コンテンツマネジメントシステム)としての側面を重視し、時系列にページの自動生成する機能や他のサイトの記事との連携機能(トラックバック)、コメント機能などを備えたブログシステムで運営されているものはすべてブログだとする立場もある。

 インターネットの普及につれて、多くの人が個人のWebサイトで日記をつけ始めたが、Web日記は紙の日記と異なり、その内容が広く一般に公開されており、ほかのサイトからリンクされたり論評されたりする。また、電子メールなどを通じて著者と読者がコミュニケーションをはかったり、特定のトピックスについて電子掲示板で多人数で論議することも容易である。

 そうした環境の中で、Web日記は独自の進化を遂げ、それまでの個人サイトでもない、紙の日記でもない新しいメディアとして台頭した。そうした新しい形式の日記風サイトを指す言葉として「Web」と「Log」(日誌)を一語に綴った「weblog」(ウェブログ)という言葉が誕生した。現在では略して「blog」(ブログ)と呼ばれることが多い。

※IT用語辞典 e-Wordsより抜粋

日から数回にわたってブログというものについて少し考えていきたいと思っている。
日本でブログという言葉が流行りだしたのはここ数年のことだ。
元は英語圏の発祥であり、ニュースのURLを寸評したようなものから始まったとされる。
イラク戦争時に現地から更新されるブログが話題を呼び爆発的に流行した。
このはてなダイアリーも2003年3月というごく最近からサービスが始まったということに軽く驚きを覚える。
ブログというものがあたかも血肉のような存在であると認識されているからであろう。


ログはその性質から「ネット上の日記」などとして取り上げられることが多いが、ブログが導入されるまでの日本にはそれと同様の機能を果たすウェブサイトが存在した。
それがニュースサイトや日記サイトと呼ばれるものである。
ニュースサイトとは特定ジャンル内でさまざまなサイトへのリンクを貼り、そこに簡単な解説を添えることでそのサイトから別のサイトへアクセス、総合情報紹介サイトとしての側面を持っている場合が多い。
例えば海外の珍妙なニュースを紹介するX51.org

や、ゲーム、PC、インターネットなどの情報を集めるTECHSIDE

などがある。新聞社などのサイトとの区別をつけるため個人ニュースサイトなどと呼ばれることもある。


方日記サイトとは個人の日記であるが、サイトの管理者自身の身辺や感じたことなどをネタに面白おかしく紹介するサイトといった風に捉えられていることが多く、実際そのようなサイトが日記サイトの代表とされていることが多い。テキスト系サイトを呼称されることも多い。
侍魂

や、ろじっくぱらだいす

などが有名であり、個人サイトながらも驚くようなアクセス数を誇る。
またこれらのサイトは管理者の個性が前面に押し出されることが多く、それを楽しみにサイトを見に来る人真似する人が多く見受けられた。
これらのサイトはブログ登場以前から存在するサイトであり、ブログというものの機能を日本では既に担うものがあったということの証明にもなる。


は、同様の機能を持つものがありながらも何故ブログはここまで流行ったのか?
一つはその簡易さにあると私は考える。
個人でサイトを持つということは、基本的に自分でHTMLを打ちサイトを作らなければならない。
更新するのもFTPでサーバーに送るなど割と面倒である。サイトデザインを変えようと思ったら、一から打ち直さなければならない。簡単に作れる製作ソフトを買えばお金がかかる。
この点に比べてブログは遥かに楽である。デザインを選び、文章を打ってボタンを押すだけで更新作業が出来る。
HTMLの知識がなくても簡単にリンクや装飾が施すことができ、日付の調整や、ログの管理なども一切がサイト側でやってくれる。
さらにはコメントやトラックバックなど他人とのコミュニケーションをとることの出来る機能を持ち合わせていることが大きな要因であろう。


う一つはブログ自体がメディアとして機能し始めてしまったからであろう。
先のイラク戦争の例を筆頭とし、2004年のアメリカ大統領選でもブログが活躍した。
著名人がブログで自分の意見を発信したり、マスメディアに先駆けて情報を発表するなど報道の役割を果たす側面も見られる。
日本でも長崎の小学校6年生の児童が同級生を殺害した事件でもブログに中傷を書かれた事が原因としており、情報発信メディアの中枢となっているのは間違いないといえよう。


れまでの日記サイトに取って代わるようにブログが台頭した。
今まで難しそう、敷居が高い、と敬遠されがちだった個人でサイトを作るという行為が簡単に手軽にしかも無料で出来る。
個人サイト製作を今までしたことないような人の参加を促すきっかけとしては十分である。
しかし、ブログ>日記サイトとなってしまった今でも更新し続ける日記サイトもたくさん存在している。
決してすべてがブログに代わってしまったわけではないのだ。
もう古いものと切り捨てるのでも自分には不要と黙殺するのでもなく、それぞれ違う歴史の元に生まれた異にして同なるものを知ることにより物の本質に迫ることが重要であると私は考える。